羽田空港に到着したバングラデシュ人質テロ事件の犠牲者のひつぎ=東京都大田区の羽田空港で2016年7月5日午前6時40分、徳野仁子撮影

 バングラデシュ人質テロ事件で亡くなった日本人7人の遺族に対し、政府は5日、弔慰金を支給する方針を決めた。海外で犯罪に巻き込まれた日本人被害者やその遺族らを支援する「国外犯罪被害弔慰金支給法」は6月に成立したが、まだ施行されておらず、このままでは事件の遺族には支給されないため、法の趣旨を踏まえて特別措置として支給することにした。

 同法は、海外で犯罪に巻き込まれた被害者や遺族に国が給付金を支払うことを定めた唯一の法律。死亡した場合は遺族に弔慰金(死亡者1人当たり200万円)が、全面介護が必要になったり、両足を失ったりした被害者には障害見舞金(1人当たり100万円)が支給される。

 同法は、2013年2月に日本人3人が犠牲になった米領グアムの無差別殺傷事件をきっかけに作られた。国内や日本の船舶・航空機内で起きた犯罪については、国の「犯罪被害給付制度」で遺族や被害者に給付金(最高約4000万円)が支給されるのに、海外での犯罪被害者を支援する制度はなかった。