「メチのいた島」の読み聞かせ活動を続けている杉原由美子さん (写真:産経新聞)
 ■「メチのいた島」作者の杉原さん

 わが国固有の領土でありながら、韓国の不法占拠が続く竹島(島根県隠岐の島町)。周辺海域はアワビやサザエの好漁場で知られ、江戸時代から隠岐地域の漁業者らが漁に出ていた。不法占拠で日本の漁船が近づけなくなって半世紀超。薄れる竹島の漁の記憶を、絵本で子供らに語り継ぐ活動を続けている女性がいる。「先人の思いを多くの人に伝えたい」。22日の10回目の「竹島の日」を前に、決意を新たにしている。(坂田弘幸)

 隠岐の島町の元小学校教諭、杉原由美子さん(71)。かつて、竹島での漁の拠点だった隠岐の島町久見地区で生まれ育った。杉原さんの祖父、八幡長四郎さん(故人)は、竹島でアシカ漁などを行った竹島漁猟合資会社の代表だった。杉原さんが6歳の頃に亡くなり、竹島の話を直接聞くことはできなかった。

 杉原さんは東京などで小学校教諭として勤め、平成20年に帰郷した。絵本のきっかけは、久見地区で開かれた竹島問題を考える集会での証言だった。「竹島で漁をしたいという漁業者の思いを聞いた。絵本で多くの人に知ってもらえれば」

 久見地区では、竹島で捕獲されたアシカが動物園に売られる前に飼育され、子供が餌を与えたこと。竹島の漁から帰ってくると、酒盛りで祝ったこと。杉原さんは、久見地区の20人以上の住民から話を聞いた。