いわゆる従軍慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」したとする日韓の合意をめぐり、朴槿恵(パク・クネ)大統領が韓国メディアを相手に発言した内容が大きな波紋を広げている。

 日本政府はソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去を繰り返し求めているが、朴大統領は「合意が少女像とリンクしているなどと言うが、合意では全く言及されていない」などと発言。撤去をめぐる議論で「扇動すべきではない」とも述べた。この発言は合意内容と食い違っている上、「移転反対」の韓国世論を「扇動」の一言で一蹴したとも受け止められた。そのため、日韓双方のメディアから非難される事態になっている。

 朴大統領の発言が出たのは、16年4月26日に青瓦台(大統領府)で開かれた韓国メディア各社の編集・報道局長との懇談会。聯合ニュースなど複数の韓国メディアによると、朴大統領は

  「合意が少女像とリンクしているなどと言うが、合意では全く言及されていない。そういったことで扇動してはならない」
  「(こういった議論は)被害者の助けにならない」

などと述べ、

  「先送りは良くない。今も多くの遅れが出ている」

と、早期に合意を履行すべきだとの考えを示したという。

 そのため、日韓両方のメディアから、

  「朴氏はわすか4か月で国際公約を破ろうとしている」(日本・夕刊フジ)
  「国内世論を『扇動』で片付けている」(韓国・京郷新聞)

と、それぞれ方向の違う批判を受ける事態になっている。