無罪判決をうけて会見する加藤達也前支局長。多くの報道陣が詰めかけた=17日、韓国・ソウル(大西正純撮影)(写真:産経新聞)

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対し、ソウル中央地裁が下した無罪判決について、韓国の高麗(コリョ)大法学専門大学院の河泰勲(ハ・テフン)教授(57)が19日までに、本紙に寄稿した。河氏は言論の自由の保障に力点を置いた判決を評価しながらも、「韓国で言論の自由の後退はとどまらないだろう」との見方を示した。詳細は以下の通り。

 今回の判決は、民主主義に必須な言論の自由が最大限、保障されなければならない点を明確にし、韓国憲法とも合致するものだ。公職者に対する疑惑の提起や批判といった報道は可能な限り保障されなければならない点も明らかにした。

 この判決で、韓国政府や検察が言論への弾圧や制限をしようとすることに、司法によってブレーキがかかったが、依然、検察の政治的中立性に疑いが持たれ、無理な検察権の行使などが批判の対象となるだろう。朴政権下の検察が政治的影響から自由ではないことを示した事案だといえる。

 そうした批判にもかかわらず、検察は今回の事案処理を通じて「萎縮効果」を手にしたようだ。記者でも国民でも、政府や大統領を非難すれば、捜査の対象となり、起訴されるかもしれないことを示すことで、自己検閲するように仕向けることができるからだ。

 最近、朴大統領に批判的な海外報道に対し、韓国政府が影響力を行使しようとする姿勢が問題となり、国際的な恥をさらしている。一方で、国内向けには効果があるために、政府や検察はこうした過剰対応や無理な捜査・起訴をやめることはないと思える。