朝鮮日報は産経新聞・加藤達也前ソウル支局長の無罪判決後も「誤報を恥じない『言論の自由の闘士』」と非難し続けている(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)のコラムをめぐる訴訟は、検察がこのまま控訴しなければ「無罪」という形で決着しそうだ。日本国内では「起訴したこと自体が無理筋」だとの見方が大勢だが、韓国メディアの中には加藤氏側にも非があったとの指摘もある。

 加藤氏のコラムは朝鮮日報に掲載されていたコラムの内容をベースにしたものだ。だが、驚くべきことに、その朝鮮日報が加藤氏のコラムは「誤報」で、「記者にとって誤報は致命的なのにもかかわらず、恥とも思っていない」だと激しく非難しているのだ。

 加藤氏は14年8月に執筆したコラムで、旅客船セウォル号沈没事故が起きた日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の動静が7時間にわたって不明で、その間に男性と密会していたとの噂があることを指摘していた。加藤氏のコラムは、朝鮮日報の14年7月18日付のコラム「大統領をめぐる噂」をベースにしていた。

 朝鮮日報のコラム「萬物相」は12月18日、加藤氏を「誤報を恥じない『言論の自由の闘士』」と表現。「噂」が事実でなかったことが明らかにあったことを指摘しながら、日本側がコラムを政治利用したと主張した。

 仮に加藤氏のコラムが「誤報」で「恥」であるとすれば、「ネタ元」の朝鮮日報のコラムにも同様の評価が与えられるべきだ。ところが、この朝鮮日報のコラムには、加藤氏のコラムのネタ元が自社のコラムだという点には全く触れていない。

 ネタ元のコラムは日本語にも翻訳され、ウェブサイトに掲載された。朝鮮日報の日本語版ウェブサイトの記事は掲載から一定期間が経つと消去される。だが、コラムは有料データベースには掲載されたままだ。韓国語も日本語も、「ネタ元」のコラムについて訂正を出した形跡はない。