無罪判決後、記者会見する産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長(17日、ソウルで)=宮崎健雄撮影

 【ソウル=宮崎健雄】日韓両国の外交問題にまで発展した公判で、ソウル中央地裁が17日に下した判決は無罪だった。

 公判後に記者会見した産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長(49)は、安堵(あんど)の表情を見せながらも、改めて、「起訴を思いとどまるべきだった」と韓国検察を批判した。

 公判は午後2時に始まった。約90席ある法廷は日韓両国の記者、日本大使館関係者らで満席となり、約20人の立ち見も出た。昨年11月の初公判では、保守系団体メンバーらが地裁敷地内で加藤氏の車を取り囲むなどしたため、判決直前には約10人の警備担当者が傍聴席前に並び、物々しい雰囲気が漂った。

 濃紺のスーツ姿で出廷した加藤氏は、起立したまま、約3時間に及んだ判決文の朗読を聞いた。「被告人は無罪」。裁判長が判決を言い渡すと、前に組んだ手をわずかに動かしたものの表情は変えず、2人の弁護人と握手を交わした。閉廷後、初めて笑顔を見せた。

 加藤氏はその後、ソウル市内で記者会見。「無罪判決は当然。検察は控訴しないことを希望する」と述べた。問題のコラムについては、「一国の最高権力者の動静を取り上げた。公益性があるのは明らか」と強調、「検察は起訴を思いとどまるべきで、民主主義国家としてどうなのか考えてほしい」と批判した。