ソウル中央地裁に入る加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)(写真:産経新聞)

 【ソウル=藤本欣也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪判決(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 李裁判長は加藤前支局長のコラム内容について虚偽と認め、「不適切な行為だった」と指摘。その上で「公的な関心事案に関連する名誉毀損は言論の自由が優位に立つべきだ」とコラムの公益性を認定した。

 また、李裁判長は「公職者に対する批判は保障されるべきものであり、その公職者の権限が大きければ大きいほど、その保障される程度は広がるべきだ」との判断も示した。

 李裁判長はこの日、韓国外務省から検察を通じて、文書が出されたことを明らかにした。文書は「最近、日韓関係に改善の動きがあり、12月18日が日韓基本条約発効50周年記念日という点も考え、善処を強く求めている日本側の要請を深く考慮する必要がある。参考にしていただきたい」という趣旨の内容。韓国政府が判決直前にこうした文書を出すのは異例だ。

 加藤前支局長のコラムは「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」の見出しで昨年8月3日、産経新聞ウェブサイトに掲載された。

 304人の死者・行方不明者を出したセウォル号沈没事故当日の昨年4月16日、(1)朴大統領の所在が分からなかったとされる7時間がある(2)その間に、朴大統領が元側近の鄭ユンフェ氏と会っていたとの噂がある(3)そのような真偽不明の噂が取り沙汰されるほど、朴政権のレームダック(死に体)化は進んでいるようだ-というのが内容。