ソウル中央地裁に入る加藤達也前ソウル支局長=17日午後、韓国・ソウル(大西正純撮影)(写真:産経新聞)

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に無罪判決を言い渡した李東根(イ・ドングン)裁判長は釜山出身でソウル大法学部卒の49歳。昨年からソウル中央地裁の部長判事を務めている。「ドイツでの量刑に関する理論と実務」などドイツの司法制度に関する著作があり、国際感覚に優れているとされた。

 初公判では、検察・弁護側双方に対し、国家指導者への名誉毀損のケースが外国でどう対応されているのかについて、事例や判例を提示するよう要請。国際社会を十分に意識していることをうかがわせた。

 李裁判長の訴訟指揮で司法関係者の関心を集めたのは、加藤前支局長がコラムで取り上げた噂を「虚偽である」と、3月の公判で認定してしまったことだ。公判途中で裁判長が重要案件の判断を下すのは極めて異例だった。

 李裁判長がその際、今後はコラムの公益性の有無に審理を集中させるよう検察・弁護側双方に指示したことで、弁護側の関係者は「論点が整理され、むしろ弁護側に有利となった」と指摘している。