総統就任が確実視される民進党の蔡英文主席(写真:REUTERS/Pichi Chuang)
1月16日に実施される台湾総統選挙が迫っている。これまで最大野党の民主進歩党(民進党)が選挙戦を優位に展開。与党の国民党を破り、政権交代実現はほぼ確実となる見通しだ。
また、同日に台湾の国会に当たる立法院の委員(議員)選挙も行われる。ここでも民進党の優勢となる見通しで、議席の過半数を制することができるかが注目されている。
総統選に立候補しているのは、与党・中国国民党(国民党)からは朱立倫主席(54)、野党からは民進党・蔡英文主席(59)、親民党・宋楚瑜主席(73)の3人。現職の馬英九総統の不人気に加え、正式な手続きで選出された立候補者を途中ですげ替えるという失策も重なり、国民党は苦しい選挙戦を強いられた。
これまでの世論調査では、蔡英文候補への支持率が40~50%台を維持する人気を示し続けた一方で、朱立倫候補は半分以下の支持率しか得られず、このまま投票日を迎えそうだ。
立法院選挙でも、民進党の躍進が予想されている。
立法院の定数は113で、民進党は現在40議席、国民党が過半数の65議席を得ている。ところが世論調査を基にした議席予測では、民進党が最高70議席、最低でも55~60議席を獲得しそうな勢いだ。
国民党はすでに現状の65議席維持をあきらめた状態であり、ぎりぎり過半数の議席獲得を目指している。それでも、最高で50議席程度と過半数割れに落ち込むような情勢。もし蔡英文候補が総統選を制すると、民進党の安定政権出現となりそうだ。