尖閣諸島の魚釣島(鈴木健児撮影)(写真:産経新聞)

 尖閣諸島・魚釣島沖での疎開船遭難事件の慰霊祭が終わった直後のことだった。

 「これから上陸します」

 政治団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」幹事長の水島総氏(63)の一言をきっかけに、魚釣島の付近に残っていた船から次々と人が海に飛び込み、島に上陸した。

 「島から離れなさい」

 第11管区海上保安本部の巡視船からはスピーカーで警告が繰り返された。

 日本の領土に日本人が上陸したことがニュースになること自体、本来奇妙な話だが、日本政府は慰霊祭に際し、「平穏かつ安定的な維持・管理」を理由に上陸申請を不許可としていた。

 日本国内からは「香港の活動家が上陸した後なので気持ちとしては分からなくはない」(前原誠司民主党政調会長)との声も出るなか、佐々江賢一郎外務次官に電話で抗議してきたのが中国の程永華駐日大使だ。

 「全く受け入れられない。そもそも今回の動向は香港の活動家による上陸事件が背景にある」

 佐々江氏はこう反論し、逆に再発防止策をとるよう程大使に求めた。