丹羽宇一郎中国大使(大山実撮影)(写真:産経新聞)
玄葉光一郎外相は15日、丹羽宇一郎駐中国大使を一時帰国させ、日中関係について報告を受ける。中国の漁業監視船による沖縄・尖閣諸島周辺の領海侵入をめぐる情勢や、東京都による尖閣諸島購入計画に反対する見解を示した丹羽氏自身の発言について事情を聴くとみられる。報告の後は速やかに北京に帰任させる。
丹羽氏は、6月7日付の英紙フィナンシャル・タイムで都の尖閣諸島購入計画について「実行された場合、日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と批判した。外務省は丹羽氏に「政府の立場とは異なる」と口頭注意した。
一方、自民党など野党は丹羽氏を召還した上で更迭するよう求めていたが、玄葉氏は6月19日の参院外交防衛委員会で、「呼び戻すことも選択肢としてはあったが、事実関係が(記事で)明らかであるのでその事実に基づいて処分を行った」と説明していた。