震災直後に作付けしたブトウを初めて収穫、復興ワインを仕込む「ふくしま農家の夢ワイン」社長の斎藤誠治さん(大塚昌吾撮影)(写真:産経新聞)  ■ふくしま農家の夢ワイン社長 斎藤誠治さん(63)  東日本大震災直後に作付けしたブドウが実り、初の収穫祭を行った。仕込みに入った赤ワインは、震災一千日を迎える12月に飲み頃を迎える。今年は生産量が70〜80本程度のため、応援してくれた関係者に振る舞うだけの予定。だが、すでに作付面積を増やしており、「来年はたくさんの人に飲んでもらい、福島を元気にしたい」と願う。  福島県二本松市の東和地区は昭和40年代ごろまで、養蚕業で栄えた町だった。現在の「ふくしま農家の夢ワイン」の醸造所も、蚕を育てる稚蚕(ちさん)場があった所だ。自身も代々続いた養蚕業の出身で、「蚕のことをかいこさまと呼んでいた」と笑う。  町おこしで、「ワイン特区」の認定を申請し、ブドウの苗を発注した。夢ワインの出資者には、同じ二本松市内で有機農業に取り組み、地ビールも生産する元農林水産官僚もいる。しかし、苗を発注した直後に震災が発生し、原発事故が起きた。  風評被害も心配される中で、「構想をこのまま続けていいのか」「商売としてやっていけるのか」と不安がる声も出た。ただ、こんな時こそ、「おいしいワインを作って、たくさんの人に飲んでもらい、復興につなげたい」と決断した。