修理したさい銭箱と池ノ谷さん

 東日本大震災で被災した岩手県大槌町旧役場庁舎の献花台に設置され、窃盗被害が相次いださい銭箱について、管理する住民有志の「献花台を見守る会」は10日、さい銭箱を今後置かないことを明らかにした。
 さい銭箱は献花台の維持管理に充てる目的で置かれたが、町は「金銭を募る行為を町有地で行うことに違和感がある」と指摘。防犯上の課題もあって設置しないよう要請し、会が了承した。
 町は2013年7月の設置当初、多くの善意に配慮して旧役場敷地の使用を口頭で許可。正式に許可しないまま事実上、黙認してきた。
 町総務部は「6月以降、窃盗の被害届を3回出す事態になり、黙認できなくなった。町として震災犠牲者の慰霊の場を整備できていない中、多くの善意で設けていただいたことには感謝する」と説明する。
 町は近く、会と無償で町有地の使用を認める契約を交わし、献花台と8月に安置された地蔵像の設置は正式に一定期間認める方針。見守る会は、さい銭箱などを寄贈した秋田県五城目町の関係者の理解も得たという。
 町内の海岸で壊されて見つかったさい銭箱は修理を終え、震災3年半の11日に再び設置する予定だった。会の池ノ谷伸吾さんは「町の事情を理解し決断した。これまでの善意に感謝し、今後の維持管理費は口座で募るなど検討したい」と話す。