倒壊した民家で、取り残された人がいないか確認する消防隊員たち(23日午前8時35分、長野県白馬村で)=飯島啓太撮影

 22日夜に発生した長野県北部を震源とした地震で、避難所などで一夜を明かした被災者は23日、激しい揺れに突然襲われた恐怖を改めて語った。

 間一髪で土砂崩れから逃れた人や、倒壊した住宅の中で1時間以上救助を待った人――。最大震度6弱を記録し、重傷者を出しながら、幸い犠牲者は出なかった。住民たちによる必死の救出劇があった。

 震度5強を記録し、住宅被害が相次いだ長野県白馬村神城の堀之内地区。22日午後10時8分頃に発生した地震の直後、会社員柏原一男さん(49)は、長男(15)が「向かいの家がつぶれてる!」と叫ぶのを聞いた。外に出ると、はす向かいの平屋建て住宅が崩れ落ちていた。

 「助けて」。がれきの中から悲鳴が聞こえ、間もなく、女児(3)が建物の隙間から、はい出してきた。たまたま近所にいた男性消防士ら近隣住民5人が集まり、男性消防士が建物の中に上半身を突っ込み、チェーンソーを使ってがれきをどけていった。住民らは「大丈夫か、今助けてやるぞ」と声をかけた。約30分かけて、中にいた男児(2)と女性3人をみなで救い出した。柏原さんは「本当によかった。これだけの被害で犠牲者ゼロなんて、本当に奇跡」と振り返った。