苗木の成長を喜ぶ住民ら=宮城県名取市・閖上地区で2012年11月8日午前10時27分、宇多川はるか撮影

 宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区で、大震災の津波に耐えた桜の木から採取した芽が苗木に育ち、住民らが8日、同地区で植樹式を開いた。親木は塩害で枯れたが、住民は苗木のささやかな成長を「命がつながった」と喜んでいる。

 閖上は全域が津波にのまれ、高台に残った桜の木に多くの被災者が励まされた。しかし、強い潮風で樹勢が衰えたため、住民らが芽を接ぎ木して苗木に育ててきた。10年かけて苗木を増やし、荒れ地状態の閖上に桜並木を出現させる計画だ。

 8日は潮風を除けるビニールハウスに、高さ約1.5メートルに育った苗木1本を植えた。地元のコーラスグループ「コールメモリ」が復興支援ソング「花は咲く」を合唱し、津波で失った仲間を思い出し涙を流すメンバーもいた。メンバーの曽我桂さん(53)は「桜が力強く咲くことで閖上のみんなとつながっていける気がします」と話していた。【宇多川はるか】