放射性物質を取り除く装置「アルプス」=2012年9月撮影(今は建屋で覆われている)、東京電力提供

 東京電力福島第1原発の放射性汚染水を浄化する多核種除去装置「ALPS(アルプス)」が27日、約2カ月ぶりに試験運転を再開した。東電は12月まで試験を続け、2014年1月の本格稼働を目指す。汚染水を浄化する切り札と位置づけられているが、これまでもトラブルが多く、期待通りの機能を発揮するかは不透明だ。

 汚染水にはセシウムやストロンチウムなど63種類の放射性物質が含まれている。現在の処理装置はセシウムだけを取り除けるが、アルプスはトリチウム(三重水素)を除く62種類について、特殊な吸着材を使って、国の排出基準値以下にする能力があるとされる。東電によると、1日当たりの処理量は最大750トンだが、保守管理や吸着材の交換などを考慮すると、1日の平均処理量は640トン程度になる見通し。

 アルプスは東芝製で12年9月に完成し、今年3月に汚染水を使って試験運転を始めた。しかし、3系統あるうちの1系統が6月、タンクの腐食による水漏れで停止。残りの系統も同様の水漏れの恐れがあることから、8月4日に運転を止め、補修作業などをしていた。【奥山智己】