福島第1原発敷地内のタンク周辺に漏れてたまった汚染水=東京電力提供

 福島第1原発の原子炉冷却に使用した高濃度の放射性汚染水が貯蔵タンクから漏えいした問題で、東京電力は20日、漏れた量が約300トンに上っているとの推計を明らかにした。汚染水をためているタンクからの水漏れとしては過去最大とみられる。近くには海につながる側溝があり、海水のサンプリングも行う。

 東電によると同日、26基あるタンク群(高さ11メートル、直径12メートル)の水位を確認したところ、そのうちの1基で水量が約2・9メートル下がっていた。漏えい箇所は特定できていない。

 漏えいは19日午前に発覚し、タンク付近の水たまりから、ベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり8000万ベクレルと、極めて高濃度で検出された。タンクは鋼製の板でできており、溶接ではなくボルトでつなぎ合わせているという。タンク周辺には汚染水の漏えいを防ぐためのコンクリート製のせきがあり、今回水位の低下が確認されたタンクは、他の25基のタンクとともに一つのせきで囲われている。

 東電は同日夜、コンクリート製のせきにとどまった汚染水約4トンを回収した。汚染水はせきの外にも広がっており、今後、染みこんだ土の回収作業も行う。【蓬田正志、渡辺諒】