新興住宅地に集中的に建設された避難者用の仮設住宅(中央部の青や白色の屋根など)(福島県いわき市で、読売ヘリから)=大原一郎撮影

 東京電力福島第一原発事故に苦しむ福島県は、28日の双葉町の避難指示区域再編で大きな節目を迎える。

 長期避難者の受け皿となるのは同県いわき市。その人口33万人の街が今、人口急増に揺れている。双葉町などの周辺住民約2万4000人が流入、戸建てを購入する動きが進んでいる。地価上昇も起き、医療機関では患者増加で労働環境が悪化、看護師不足などの影響も出始めた。

 小高い丘にある中央台地区の分譲地。計2400人が暮らす仮設住宅が12か所、避難自治体の仮役場やプレハブの校舎も相次いで建設された。「住宅、商業用地ともに一気に申し込みが殺到した。一時的にバブルが起きた」。開発した都市再生機構(UR)いわき営業所の浅野雅之所長(50)はそう語る。

 エリアは約530ヘクタール。分譲は30年ほど前に始まり、1万3000人以上の新興住宅地となったが、300区画以上が売れ残った。しかし原発事故で事態は一変し、1年もすると完売状態になった。購入者の3割以上は避難者という。