見頃を迎えた夜の森の桜。比較的放射線量が高いため、注意を促す看板も(9日、福島県富岡町で)=菅野靖撮影

 福島県富岡町の名所「夜(よ)の森の桜」が9日、満開となった。

 東京電力福島第一原発事故で全町避難している町民たちが一時立ち入りし、咲き競う並木の下で、郷愁にひたった。

 L字形の町道約2・5キロに約2000本が並ぶ。原発事故で約2年間、警戒区域に指定されていたが、先月25日の避難指示区域再編で、並木道のうち1キロほどは日中のみ、自由に入れるようになった。

 荷物を取りに来た途中で寄ったという若い男性は「なつかしい。でも、避難前はもう少しきれいだったかな」と桜を見上げた。遠藤勝也町長は「人がいなくても、生き生きと咲いてくれた。望みを捨てずに、町に帰りたい」と話した。