Jパワー(電源開発)が青森県大間町に建設中の大間原発について、北海道函館市は25日、原子炉設置許可の無効確認や建設差し止めを国と同社に求める訴状の概要を市議会に初めて提示した。過酷事故が起きれば、全市民約27万人の避難が困難になり、被害は甚大と主張している。  訴状の概要によると、函館市は大間原発から最短で23キロ。市内からの避難道路は2ルートあるが、福島第1原発事故のような過酷事故が発生した場合、数十万人の避難は大渋滞を引き起こし、不可能と指摘。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が行った炉心爆発などの最も過酷な事故のシミュレーションでは、市民約8000人が急性死するとした。  また、過酷事故に至らなくても、放射能漏れなどの事故が起これば、市の主要産業の農水産業や観光に壊滅的被害をもたらすと強調。市が同意するまでの間、建設を停止するよう求めている。  一方、大間原発の設置許可申請に用いられた当時の安全設計審査指針では福島第1原発事故を防げなかったことから、設置許可自体が無効と指摘。原発建設の同意は、函館市など原子力防災計画が義務づけられる30キロ圏内の自治体も含めるべきだと主張している。  市は、27日開会する定例市議会に、訴訟と訴訟関連予算約390万円を提案。可決されれば、4月上旬に提訴する方針。【鈴木勝一】