田中俊一・原子力規制委員長=東京都港区で2012年9月、猪飼健史撮影

 ◇汚染水「見極め必要」

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は9日、毎日新聞のインタビューに応じた。東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた安全審査について「まず(汚染水漏れなどトラブルが相次ぐ)福島第1原発の状況を見極める」と述べ、審査入りが遅れる可能性を示唆した。

 規制委は4日、東電に対し、汚染水対策と、再稼働を目指す柏崎刈羽原発で安全管理を適切に行えるかを文書で報告するよう指示した。東電は週内に規制委に報告書を提出する予定だ。

 田中委員長は9日に起きた福島原発での淡水化装置の汚染水漏れも念頭に、「トラブルが毎日のように起こっている。この状況が落ち着いて、きちんと(管理が)できるようになるまで見極めないといけない。(東電が提出する)報告書に書いてあることが実際に行われているかを見る」と強調した。

 その上で、「福島原発の作業環境がかなり劣悪だ。厳しい仕事の場合には、プロパー(東電社員)が先頭に立つべきだが、現場はどうだったのか。東電は下請け(協力企業)を使う体質があり、自分たちが前に出ていない可能性がある」と指摘した。報告書は1カ月程度かけて精査し、妥当性を判断するという。現在、規制委に安全審査を申請しているのは、5電力の7原発14基。このうち、9月27日に申請された柏崎刈羽6、7号機の審査入りについて保留することへの明言は避けつつも、「(審査が進んでいる)他原発のように、とんとんやるペースではいけない。国民も許さないだろう」と述べた。