今年の相馬野馬追で大勢の観客の前を疾走する騎馬=福島県南相馬市で2013年7月28日午後0時23分、久保玲撮影

 福島県相馬地方の国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」の騎馬武者が12日、千葉県鎌ケ谷市の市民まつりに登場し、武者行列を披露する。野馬追を伝えてきた大名家の相馬氏は、千葉県ゆかりの豪族である千葉氏の子孫で、約600年ぶりの「帰郷」となる。主催者は「福島の復興支援につながれば」と期待している。

 騎馬武者が駆ける相馬野馬追は、平安時代中期に平将門が下総国(千葉県北部)に馬を放って軍事訓練をしたのが始まりといわれる伝統行事。相馬氏は、平家の流れをくむ下総の守護、千葉常胤(つねたね)の次男師常(もろつね)が「相馬御厨(みくりや)」と呼ばれる荘園を治め、「相馬」を名乗ったことに始まる。相馬氏は1300年代に福島に移ったが、野馬追は続けたと考えられている。

 鎌ケ谷市は、相馬御厨の一部と重なり、江戸時代には幕府の牧場も置かれた。牧場では毎年、半野生の馬「野馬」から軍馬を選別する「野馬捕り」も行われていたとされる。こうした縁で今回、市民まつり実行委員会が野馬追の騎馬武者12騎を含む28人を招待した。

 当日は午後0時15分、国史跡「下総小金中野牧跡」に近い鎌ケ谷市初富本町を出発。市役所前を通って東武線新鎌ケ谷駅近くの新鎌通りに入る計約1・5キロのコースで行列を披露する。新鎌通りでは武者が口上を述べるなどの見せ場もある。