「手焼きせんべいを陸前高田の銘菓にしたい」と話す菅原社長=東京都港区(写真:産経新聞)

 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市に新たな名産品をと、手焼きせんべい作りが進められている。草加せんべいの職人から技術支援を受け、独自の味付けを加えて製造・販売。手焼きせんべいの一枚一枚に復興への思いが込められている。(油原聡子)

 ◆草加が技術支援

 「陸前高田手焼きせんべい」を作っているのは、同市出身の菅原泰葉さん(24)が社長を務める「一松商店」(岩手県陸前高田市)だ。

 菅原さんは震災当時、宮城県内の大学の4年生で、同県内の企業に就職が決まっていた。実家は高台にあったため、無事だった。しかし、帰郷して目にしたのは変わり果てた故郷の姿。就職を断り、地元に戻ることを決意した。

 だが、地元に戻っても仕事は全くない。菅原社長は「働きたくても働く場所がなかった」と振り返る。「復興には地元に産業を育て、雇用の場を作ることが不可欠」と考え、思いついたのがせんべい作りだった。「せんべい焼き機が1台あれば雇用を生み出せると考えたんです」(菅原社長)