町長時代に対処した原発問題を振り返る前福島県大熊町長の志賀秀朗さん=福島県いわき市で、丸山博撮影

 東京電力福島第1原発事故で福島県大熊町を追われ、同県いわき市に避難する志賀秀朗さん(80)は07年まで5期20年、大熊町長を務めた。曽祖父秀明さんは明治時代に熊町村(1954年の合併で大熊町)の村長を務め、父秀正さんも5期17年、大熊町長だった。

 政府は8月19日、除染作業で出る汚染土などを保管する中間貯蔵施設の現地調査候補地として大熊、双葉、楢葉の県内3町計12カ所を公表した。うち9カ所が大熊町にある。原発から約1キロの志賀さん宅周辺も、調査対象になる可能性が高い。

 「国には東京電力の電気を使ってきた自治体に『受け入れてくれないか』と先にお願いしてほしかった。踏むべき順序は踏むべきだ。我々は原発事故で痛めつけられ、また痛めつけられる」。「安全」を信じ、原発と共存してきた志賀さんだけに、怒りを隠さない。

 疑問もある。「中間貯蔵施設が『中間』だと誰が保証するのか。政権が代われば『知らない』となるんじゃないか」。不信は募る。