安倍氏のインタビューを掲載した2005年1月の夕刊フジ紙面(写真:夕刊フジ)  安倍晋三首相と朝日新聞のバトルが、さらに激化してきた。安倍首相が10月30、31日の国会審議で、朝日が報じた「撃ち方やめ発言」について、「捏造(ねつぞう)だ」「安倍を攻撃しようという意図がある」「(一連の大誤報を)反省しているのか」などと切り捨てたことに、朝日が猛然と反論したのだ。10年にもおよぶ両者の対立の源流とは-。  「『捏造』は看過できない」  朝日は1日付社説にこうタイトルを付け、安倍首相が国会質疑で朝日だけを名指しで問題視していることを、「いったいどこの国の話かと思わせる答弁が続いている」と指摘。そのうえで、「権力監視は民主主義国の新聞として当然の姿勢だ」「メディアを選別し、自身に批判的な新聞に粗雑なレッテルを貼る」として、「国民を代表すべき政治指導者の発言とは思えない」とまで言い切った。  図らずもか、自社の立ち位置を「自身(=安倍首相)に批判的な新聞」と認めている部分は興味深い。朝日は同日の社会面でも「首相再び『捏造』発言」「衆院委 本社改めて否定」という記事を掲載している。  安倍首相は一連の国会質疑で「捏造」という主張を一歩も譲っておらず、今後の展開が注目される。  こうしたなか、安倍首相が10月31日の衆院地方創生特別委員会でも言及した、朝日の「NHK番組改変」報道が改めて注目されている。  安倍首相が自民党幹事長代理だった2005年1月12日、朝日は朝刊1面に「NHK『慰安婦』番組改変」「中川昭・安倍氏『内容偏り』」という記事を掲載した。安倍首相と中川昭一経産相(当時)が01年1月、慰安婦制度の責任者を裁く民衆法廷を扱ったNHK番組について、放送前日に同局幹部を呼び出し、政治介入したと批判したものだ。  政治生命を奪われかねない記事だったが、NHKは「政治的圧力で番組内容を変更した事実はない」と全否定し、朝日に抗議した。朝日はその後、中川氏がNHK幹部に会ったのは放送後であり、取材が不十分だったことは認めたが、記事の訂正や謝罪はしていない。