夜明け間近の神戸市街に向け、追悼のトランペットが鳴り響いた=17日午前5時46分、神戸市中央区の諏訪山公園(岡本義彦撮影)(写真:産経新聞)
神戸市の中心地を一望できる高台の諏訪山公園(同市中央区)のビーナスブリッジでは、まだ月明かりの未明から追悼式が行われ、約100人の遺族や住民が黙祷をささげた。追悼式ではトランペット奏者の松平晃さん(72)が夜明けの空に向かい、復興支援曲「花は咲く」や童謡「ふるさと」を演奏し、犠牲者を悼んだ。
このほか同市兵庫区の詩人、玉川侑香さん(67)が被災者の気持ちを表現した詩を披露した。地震が発生した午前5時46分には、鎮魂の願いを込めて参加者が「神戸・希望の鐘」を打ち鳴らした。
大きな揺れのなか、母親と布団にもぐって難を逃れたという兵庫区の菱谷治代さん(69)は「近所から火の粉が飛んできたのを覚えている。大勢の方に助けられていることを忘れず、精いっぱい生きたい」と話した。