福島第1原発事故で住民避難が続く福島県浪江町の成人式では、新成人らが犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた=12日午前、福島県二本松市(三尾郁恵撮影)(写真:産経新聞)

 「人と人との絆が大切」-。東京電力福島第1原発事故の影響で避難区域が設定されている福島県の4町村(浪江町、富岡町、楢葉町、飯舘村)で、産経新聞が12日に行った新成人へのアンケート。東日本大震災から間もなく丸3年を迎えるが、若者たちが家族や地域の絆を大切に思う心を維持し続けている様子が如実に感じられた。復興への貢献意欲も旺盛だ。ただ地元への回帰志向については「分からない」が半数近くを占め、揺れる心情がうかがえた。

 「震災があってから家に帰れず、家族の大切さに改めて気付いた」

 「何が一番大切だと感じるか」との設問には、浪江町の大学生、金沢拓海さんがこう答えたように、震災を機に家族の大切さを痛感した人が多かった。同町の専門学校生、坂下博樹さんも「震災後、唯一ずっとそばにいる存在なので」、同町の専門学校生の女性も「震災で離れ離れになって初めて家族というのはそろっていないとだめなものだと実感した」と答えた。

 「友人・恋人」とする回答も多く、「離れていてもつながっていることが大事。心のよりどころになる」(浪江町の大学生、古農修一郎さん)、「近くにいてたわいもない話をして笑っていられることが幸せ」(富岡町の大学生、佐藤公美さん)。「きれいごとだけでは生活できない」(富岡町の専門学校生、女性)と「お金」を選ぶ人も1割余りいた。