多くの日本兵が戦い、戦死した壕の脇には慰霊碑が立ち、今も日本人が訪れる(3月3日)

 天皇、皇后両陛下が9日に訪問されるパラオ・ペリリュー島では、太平洋戦争で犠牲になった日本兵ら約1万人のうち、約2600人分の遺骨が今も見つかっていない。

 「一日も早く、戻るべき故郷に帰してあげたい」と収集作業に協力してきた島民らは、両陛下の訪問が収集を加速させるきっかけになればと願う。

 「激しい戦いだったことは、島の変わりようからも分かった」。島で民宿を営むマユミ・シノヅカさん(77)は、70年前の故郷の様子を振り返る。

 日本人の父、パラオ人の母を持つ日系2世。1944年9月に島で戦闘が始まる前、パラオ本島に一家で疎開して難を逃れた。戦後に戻った故郷は、生い茂っていた木々が焼き尽くされ、サンゴ礁の白い地面がむき出しになっていた。

 守備隊が島に張り巡らせ、2か月以上にわたって戦った壕(ごう)には、日本兵の亡きがらがそのままになっていた。

 70年代に入ると、日本から慰霊や遺骨収集に訪れる人が増え、受け入れ先として民宿を始めた。壕の前で号泣し、宿舎でも涙が乾かない遺族らを見て、「私も日本人。だから悲しくなった」と深く同情した。