南海トラフ巨大地震で発生する津波に見立てた花火でその大きさを疑似体験する「減災花火」が5日夜、徳島県小松島市の岸壁で披露された。徳島の伝統産業である花火の普及活動をする「阿波花火師有志の会」が、竹を使った吹き筒花火などで津波を再現した。
金磯地区の岸壁で行われた東日本大震災チャリティーイベントのなかで開催。ナイアガラ花火と吹き筒花火を組み合わせ、高さ約10メートル、幅約60メートルの“津波の壁”を約1分半にわたって再現した。同市の海岸には、国の検討会や県の想定で最大6メートルの高さの津波が押し寄せ、この岸壁近くでは最大10メートルの深さで浸水するとされている。
同会は今後、津波が懸念される県内外の沿岸部で行われる花火大会の主催者や花火師らに減災花火の実施を呼びかけていくという。同会の澤内健司代表は「津波の大きさを実感し、減災への思いが見た人に伝わったのではないか」と話している。【山本健太】