汚染水が漏えいした福島第1原発の貯蔵タンク(中央右)の上で作業をする人たち=福島県大熊町で2013年8月20日午後5時14分、本社ヘリから西本勝撮影

 東京電力福島第1原発の地上タンクから約300トンもの高濃度放射性汚染水が漏れた問題は、事故処理の新たな障壁の深刻さを物語る。東電によると、汚染水は1カ月前から漏れ始め、今も漏れ続けている。把握まで1カ月を要するお粗末な汚染水管理だけでなく、破綻寸前の保管計画の実態も浮き彫りになった。

 19日午前9時50分ごろ、東電社員がタンク周囲にある漏えい防止用のせきの排水弁から流れ出た水計120リットルが外側にたまっているのを見つけた。排水弁は、雨水がせきの内部にたまるとタンクからの漏えいが分からなくなるため、通常から開けられている。

 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は20日の記者会見で「漏れを迅速に発見するための措置で、さらに外側には土のうの壁もある」と運用の不備を認めなかったが、今後は弁を常時閉じるよう方針転換した。

 同原発では1日に2回のパトロールを行っているが、今回の漏れは発見が遅れた。東電は、周辺の放射線量が毎時100ミリシーベルトと高いこともあり「作業時間が限られている」と釈明する。