娘の携帯電話に見入る、金沢善郎さんと雅子さん(ともに20日、岩手県陸前高田市で、立石紀和撮影)

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市で、多くの犠牲者を出した市民会館の解体作業が始まり、犠牲者の物とみられる遺品が相次いで見つかっている。

 遺品の中には、家族の無事を案じて送信したメールが残ったままの携帯電話も。震災から2年を前に思いがけず遺品を受け取った遺族らは、「生き残ったみんなで頑張ってというメッセージだと思う」と涙を流した。

 市民会館は市役所向かいにあり、市の指定避難所になっていた。3階建ての建物は津波にのまれ、避難したとみられる約70人の市民や市職員が犠牲となった。

 解体工事は17日から始まり、館内では携帯電話やカメラ、時計などが見つかっている。今月10日頃には、工事の準備で館内のがれきを片づけていた作業員の男性(53)が入り口付近で携帯電話を発見。浸水したはずだが、防水機能が付いており、電源が入った。

 携帯電話の持ち主は、同市の課長補佐だった福田晃子(こうこ)さん(当時53歳)だった。画面には、避難する際に家族の安否を気遣って送信したメールが残されていた。