行方不明になった父娘が発見された農業倉庫。入り口の前の雪山(左)との隙間に、父が娘に覆いかぶさるように倒れていた=北海道湧別町で2013年3月3日午前10時20分ごろ、遠藤修平撮影

 北海道を襲った暴風雪。湧別町で行方不明になった父親は、たった一人の娘を守ろうと、体で覆いかぶさるように約10時間にわたって抱きしめ続け、命を落とした。周囲の雪を猛烈な勢いで吹き上げる地吹雪は夜通し続き、住民らは改めて自然の猛威に体を震わせた。【遠藤修平、伊藤直孝】

 「大丈夫か」。3日午前7時すぎ、湧別町東の牧場用倉庫前で、雪の中に黒色の上着の一部を見つけた道警遠軽署員が大声を出した。雪を払いのけると、同町の漁師、岡田幹男さん(53)が小学3年の長女夏音(なつね)さん(9)を両手で抱きかかえながら、うつぶせに倒れているのが見つかり、その胸の下にスキーウエア姿の夏音さんが泣きながら震えていた。岡田さんは風が吹いていた北側に背を向けていたといい、夏音さんは低体温症ながら命に別条はなかったが、岡田さんは搬送先の病院で凍死が確認された。