党本部に入り、総裁室に駆け込む安倍晋三総裁=21日午前、東京・永田町の自民党本部(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)  自民党が衆院選で約束した「竹島の日」を祝う政府主催の式典開催が、反古になりそうだ。安倍晋三総裁は21日、来年2月22日の式典開催について「大統領の就任式があるので、慎重に検討していきたい」と述べた。韓国の大統領選で当選した朴槿恵氏の就任式が2月25日に開催されることを考慮したようだ。  安倍氏は今月26日に第96代の首相に指名される。恐らく大統領就任式に出席し、初の日韓首脳会談となる可能性もある。その3日前に韓国側の反発が必至な式典の開催は好ましくないと判断したのだろう。  現実的な外交を展開するのは結構だ。ミサイルを発射するなど相変わらず不穏な北朝鮮相手に日韓両国が緊密な連携を図るのは必要なことだ。当面は外交面の摩擦を避けつつ、経済対策に集中したいのかもしれない。  問題は、「できないことがある」のに選挙戦で「できる」と言ってしまったことにある。  「ウソつき」は民主党が政権交代を果たした平成21年衆院選のマニフェスト(政権公約)の代名詞として定着した。安倍氏は街頭演説などで民主党をやり玉に挙げ、「自民党はできることしか書いていない」と何度も訴えた。  厳密に言うと、自民党は政権公約では竹島に直接触れていない。政権公約とは別に衆院選で示した「総合政策集」の中に、こう書いてある。  「政府主催で、2月11 日の建国記念の日、そして2月22日を『竹島の日』、4月28日を『主権回復の日』として祝う式典を開催します」  「検討する」などの余計な表現は一切ない。完全な断言調だ。ただ、式典を実施する具体的な年は書いていない。衆院任期の4年以内に実現するということなのかもしれない。  しかし、政権がいつまで存続するかは分からない。やれることは早めにやっておかないと、「やろうと思う前に辞めたから実現できなかった」との言い訳になってしまう。それが前回の安倍政権の教訓だったのではないか。