宮城県石巻市の離島・金華山の南東に位置する金華山灯台は1日、点灯140周年を迎えた。東日本大震災の震源地に一番近い建造物であり、これまで戦争や地震など危機を乗り越え、現役で動き続けている=10月26日
宮城県石巻市の離島・金華山の南東に位置する金華山灯台は1日、点灯140周年を迎えた。東日本大震災の震源地に一番近い建造物であり、1876年の運用開始から戦争や地震など4度の危機を乗り越えて、現役で動き続けている。
金華山灯台は、赤白の閃光(せんこう)を10秒ごとに交互に発し、約30~40キロ先の海上まで光を届けている。ガラスを組み合わせた閃光式レンズが電球を覆っており、拡散する光を集めて一直線に飛ばす。
震災では地震と津波で島全域が被災。山道が崩落し、灯台の内壁にはひびが入った。レンズも破損したが、建物は持ちこたえ、2日後には点灯を再開した。
管理する第2管区海上保安本部によると、2005年までは職員が交代で滞在していたが、現在は無人。数カ月ごとに巡回しているという。2管の渡辺裕吾交通部企画課長は「明治期の姿を残し、歴史的、文化的に価値のある灯台を知ってもらいたい」と話した。