台風10号による豪雨被害で孤立している岩手県岩泉町の安家地区大平。親族に会いに行く合砂コノさん(88)と寄り添って歩く、ひ孫の滉人(ひろと)さん(18)=3日午後、岩手県岩泉町(松本健吾撮影)(写真:産経新聞)

 崩れ落ちた橋、押し流され積み重なった木々、沢の水で家財道具を洗う住民-。台風10号の豪雨被害で孤立している住民へ救援物資を届ける自衛隊とともに3日、ヘリコプターで岩手県岩泉町安家(あっか)地区の大平集落に降り立った。

 川の氾濫の影響で集落には流木などが散乱し、電気や水道などのライフラインは寸断されたままだ。道路は所々で崩落し、がれきで埋まっている。近くには避難所も設置されていない。多くの住民は、自宅で不便な生活を強いられている。(写真報道局 松本健吾)

 救援物資を届ける自衛隊とともにヘリコプターで降り立った岩手県岩泉町安家地区の大平集落は、町の中心部から北北西に約20キロ。自衛隊によると、約100人が住んでいるが、周辺道路の被害が大きく孤立状態にある。周囲を見渡すと、激しい台風の爪痕がそのまま残っていた。

 「全く、ひどいありさまだ」。集落で酒屋を営む中川原光太郎さん(67)の自宅兼店舗には泥が流れ込み、1メートル以上積もった泥の上に冷蔵庫が横たわっていた。店の背後で土砂崩れが発生、土砂が一気に1階部分に流れ込んだという。

 普段は妻が1階で寝起きしていたというが、当日は近くの小学校に逃げていたため無事だった。「もし、いつも通りに寝てたら命はなかった。とにかく今は多くの人手がほしい。早く泥をかき出さないと生活ができない」。電気が通っておらず、明かりがないため活動時間も限られる。噴き出す汗を拭い、再びシャベルに手をかけた。

 「何人でお住まいですか」「必要な物を持っていってください」。自衛隊の隊員は、食料、救急セットなどの救援物資が詰め込まれた段ボールを手に、周辺の民家を一軒一軒訪れては住民らに手渡し、安否確認を行っていく。