ヘリコプターで孤立集落に運んだ救援物資を住民の元に届ける陸上自衛隊の隊員ら=3日午後、岩手県岩泉町安家地区

 台風10号の大雨で孤立した岩手県岩泉町の安家地区。

 途絶えた陸路に代わり、陸上自衛隊ヘリコプターが救援物資を空輸してライフラインを支える。記者が3日、部隊に同行して現地に入った。

 約60人が暮らす安家地区の大平集落。行方不明者の情報はないが、川に架かった橋は流されて半分なくなり、山につながる道路は水が流れ下って沢のように。麓の住宅には、大量の土砂が流れ込んでいた。

 3日午後1時ごろ、自衛隊員らが救援物資の入った段ボール箱を住宅一軒一軒を回って届けると、住民は皆、ほっとした表情を見せた。「沢の水を沸かして飲んでいたが、泥が詰まっていた」と話す大川原※子(※コザトヘンに弟)さん(85)は、ペットボトル入りの水を受け取り、何度も頭を下げていた。

 中川原光太郎さん(67)は、自宅1階を埋める大量の土砂をかき出す重労働で、疲れ切った様子だった。カップラーメンなどの食糧も届いたが、食欲はない。「ぜいたくは言えないけど、後は風呂と電気さえあれば」。

 岩泉町では陸自第9特科連隊(岩手県滝沢市)を中心に約350人態勢で活動。ヘリコプターのほか、林道を走破できる偵察用オートバイも使って物資輸送などを続ける。連隊長の柳裕樹1等陸佐は「一日も早く回復できるよう自衛隊の力を結集したい」と話した。