昨年3月ごろ、ソーラーパネル設置時に削られる自然堤防(読者提供)

 台風18号の影響で9月10日の未明に襲った関東・東北豪雨から10日で1カ月が経過した。死者8人、半壊家屋3851棟、床上浸水3147棟(2日現在)の大災害となった。鬼怒川の決壊や越水で最も被害が大きかった茨城県常総市。川の氾濫が伝えられた同市若宮戸地区は、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を設置するために自然堤防が削られ、住民たちは今も「人災だ」と、やるせない思いで生活していた。

 ヘドロ特有の異臭が鼻を突く。住民は乾ききっていない泥の中を家屋から黙々とかき出していた。手足や顔、髪の毛まで白く染まる。砂ぼこりも吸う。一日中、泥まみれになりながら復旧作業に追われ、車で数十分かけて避難所に戻っても、銭湯が定休日なら風呂さえ入れない日もある。

 昨年3月ごろ、ソーラーパネル設置による自然堤防の掘削で無堤地区となった若宮戸。床上1メートル以上の浸水で、鬼怒川に近い区画にある住宅の1階は1カ月がたっても住める状態にない。住民によると、14世帯のうち7世帯が賃貸住宅を借りるなどし、この地を離れた。残りの世帯は2階で生活しているという。