行方不明者の捜索をする自衛隊員=茨城県常総市で2015年9月15日午後2時49分、猪飼健史撮影

 関東・東北豪雨で茨城県常総市が行方不明としていた15人のうち大半の無事を県が14日に確認していたにもかかわらず、市側に伝えたのは15日午前だったことが分かった。残る1人は虚偽通報に基づくもので実在しなかったことも判明。浸水現場では「15人」を前提に捜索を続けており、連携不足が浮き彫りになった。行方不明者の名前が非公表だったため情報が錯綜(さくそう)したとの指摘もあり、災害時の情報共有のあり方に一石を投じた。

 「14人の無事が確認されました」。15日午前9時50分から茨城県庁で始まった県災害対策本部会議で、県防災・危機管理課の大高均課長が報告すると、あまりに急激な減り方に出席者からどよめきが起きた。ほぼ同時刻に開かれていた常総市議会の本会議では、高杉徹市長が「安否が分からない方は今も15人いる」と説明していた。

 県によると、15人の安否確認は県警が戸別訪問や電話で進めていた。14日午後0時半から同7時にかけて計13人の無事を確認。しかし、県は「あとからでもいいと思った」(田中豊明防災・危機管理局長)と緊急性はないと判断し、15日の災害対策本部会議まで伝えなかった。会議後に記者会見した田中局長は「すぐ公表しないことは配慮がなかった」と述べた。

 残る2人のうち1人は15日に無事を確認。1人については「流されたという通報が虚偽で、実在しない不明者だった」としている。安否情報について県警は「県が統一して発表することでコメントする立場にない」としている。