大雨の影響で渋井川の堤防が決壊し、冠水した住宅街=宮城県大崎市で2015年9月11日午後0時2分、本社ヘリから長谷川直亮撮影

 「まさか、ここでも」。茨城県など北関東地方に大きな被害をもたらした南北に連なる「線状豪雨」が、今度は東北地方を襲った。河川はまたもや未明になって次々と氾濫。住宅街や周囲の水田を次々とのみ込み、住民の多くはなすすべもなく、救助を待った。

 宮城県北部の田園地帯。大崎市を流れる渋井川の堤防は11日午前5時前に決壊し、付近の住宅街に水が流れ込んだ。早朝に水かさが一気に増したため自宅に取り残された住民も多く、不安を抱えながら救助を待った。市によると、渋井川の堤防決壊で古川西荒井地区周辺で孤立した146人がヘリやボートで救助された。

 避難所となった古川第五小体育館には自力避難を含めて約160人が避難。同地区の佐々木はるさん(63)は同日午前4時半ごろ、近所の人に声をかけられ、玄関のドアを開けると水が家の中に流れ込んできた。平屋建ての自宅では「危ない」と感じ、119番した後、10カ月の孫のミルクとおむつをゴミ袋に詰めて助けを待った。駆けつけたレスキュー隊員に孫を抱えてもらい、胸まで水につかり、流れにさらわれそうになりながら、家族6人で約20分歩いて脱出したという。「家はもう住めないかもしれないが、家族全員が元気なことが唯一の救い」と話した。