東京電力福島第1原発の建屋脇を通る排水路から、放射性物質を含む雨水が外洋に流出するトラブルが4カ月余りで5件相次いだ。別の排水路に雨水を移すポンプが大雨に対応できないことなどが原因だ。東電は今年度中に排水路を港湾内に通じる付け替え工事を完了させる予定だが、抜本的な対策をとれないまま台風シーズンを迎えることになりそうだ。

 この排水路は幅2メートル、深さ2メートルの地下溝で、原発の敷地に降った雨を外洋に流すために800メートルにわたり敷設された。今年2月に2号機原子炉建屋屋上から高濃度の汚染雨水が流れ込み、外洋に漏れていたことが判明。東電は高さ70センチのせきを設けたうえ、港湾内に通じる別の排水路に水を移すポンプ8台を整備し、今年4月17日から運転を始めた。ポンプ8台で1時間当たり14ミリの降雨に対応できる。

 しかし、4月21日には発電機の故障で全ポンプが停止した。7月16日には、ポンプの処理能力を超える1時間に最大21ミリの降雨があり、水が外洋にあふれ出たのを作業員が確認するなど、今月27日までに計5回の流出があった。雨水に含まれるセシウムなどの放射性物質の濃度は、国と東電が汚染地下水を浄化した後に海に流す「サブドレン計画」で定める基準の20~670倍。いずれも流れ出た量は不明。外洋の放射性物質濃度に変化は出ていない。