廃炉に向け作業が続く東京電力福島第1原発。(左から)1、2、3、4号機の原子炉建屋=2月24日、福島県

 広範囲に被害をもたらし、世界に衝撃を与えた東京電力福島第1原発事故の発生から間もなく丸5年となる。
 政府と東電は廃炉作業を30~40年と見込むが、この5年間で目標の未達成と工程の見直しが繰り返された。今後も計画通りに進まない状況が続くとみられる。
 敷地の建屋内やタンクに保管されている放射能汚染水は、2月下旬で86万トンを超えた。東電は5月中旬以降に汚染水対策が効果を発揮し、増加ペースが緩むと想定するが、それでも年内に100万トン近くに達する見通し。濃度を下げる作業も遅れ気味の上、処理を終えた水をどうするかも決まっていない。
 事故発生時、1~3号機原子炉にあった核燃料は大半が溶け落ちた。圧力容器を突き抜け、格納容器下部に落下したと推定されているが、位置や形状は不明のまま。ロボットによる内部調査も強い放射線などが障害となって進んでおらず、政府と東電が廃炉工程表で目標とする2021年の取り出し開始は、見直しを迫られる可能性がある。
 核燃料があるのは炉心溶融(メルトダウン)を起こした原子炉だけではない。原子炉建屋のプールには、強い放射線を放つ使用済み核燃料が1号機に292体、2号機に587体、3号機に514体ある。計1393体の核燃料は第1原発が抱える大きなリスクの一つだが、取り出しは遅れ、3基の中で最も早い3号機でも作業開始は17年度となっている。