再稼働した四国電力伊方原発3号機(手前)。奥は(右から)1号機、2号機=愛媛県伊方町で2016年8月7日、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

 四国電力は12日、愛媛県伊方町の伊方原発3号機(出力89万キロワット)を約5年3カ月ぶりに再稼働させた。原子力規制委員会の新規制基準に合格し再稼働した原発は、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)▽関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き全国5基目。高浜原発は司法判断で停止中のため、伊方3号機はウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う国内唯一のプルサーマル発電となる。午前9時、作業員が核燃料の核分裂を抑えている制御棒を炉心から引き抜き、原子炉を起動させた。

 伊方原発は東西約40キロの細長い佐田岬半島の付け根に位置しており、先端側の住民約4700人は過酷事故時に孤立する懸念がある。県の避難計画は、地震や津波などの複合災害で孤立した場合、被ばくを避けるため屋内退避するよう定めているが、余震で建物の下敷きになるなどの危険性も指摘される。

 また広島、松山、大分の各地裁では、伊方3号機の運転差し止めを求める仮処分が住民らにより申請されている。先行した高浜原発を巡る仮処分申請では、大津地裁が3月に運転差し止めを認める決定を出しており、伊方原発でも今後の司法判断が注目される。

 伊方3号機は、昨年7月に規制委の安全審査に合格し、同10月に伊方町の山下和彦町長と中村時広知事が再稼働に同意。今年4月に最終的な手続きとなる使用前検査が始まった。13日午前6~7時には核分裂反応が安定する「臨界」に達する見通しで、15日に発送電を開始する。規制委の検査を経て9月7日に営業運転に移行する予定だ。【橘建吾】