九州電力・川内原発=鹿児島県薩摩川内市で、本社ヘリから加古信志撮影

 鹿児島県は29日、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)で重大事故が起きた場合に、原発から30キロ圏内の住民が車で避難するのにかかる時間を試算したシミュレーション結果を公表した。試算では、最も標準的な想定で避難完了まで22時間かかる。ただ市や町ごとの避難時間が示されず、要援護者の存在が考慮されていないなど課題も多く、関係自治体は「住民に説明できる内容ではない」と批判している。

 九電の原発では、4月30日に佐賀、長崎、福岡の3県が合同で玄海原発(佐賀県玄海町)の避難シミュレーションを公表しており、今回はそれに続く。

 川内原発の30キロ圏内に一部でも含まれる自治体は▽薩摩川内市▽出水市▽阿久根市▽いちき串木野市▽日置市▽鹿児島市▽姶良市▽さつま町▽長島町--の9市町で、圏内人口は約21万5000人。

 シミュレーションは5キロ圏内の予防防護措置区域(PAZ)に住む住民の90%が30キロ圏外に出た後、5~30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)の住民が避難を開始--という2段階避難で試算した。ただし5~30キロ圏の住民の20~60%は5キロ圏と同時に避難を始めると仮定。最終的に30キロ圏内の住民の90%が30キロ圏外に出た時点で避難「完了」とした。