アメリカのコネティカット州で操業中のミルストン原子力発電所。猛暑により、冷却水の水源であるロングアイランド湾の水温が上昇、原子炉1基の停止を余儀なくされた。Photograph by Roger Ressmeyer, Corbis
アメリカは今夏、記録的な猛暑と干ばつに襲われており、大量の水を必要とする発電所が深刻な影響を受けている。
東海岸のコネティカット州から西海岸のカリフォルニア州に至るまで、干ばつによる水不足に加えて冷却用水の温度が猛暑で急上昇。数多くの発電所が電力生産量の減少を余儀なくされている。冷却水の水温規制値に関して、適用除外の特例を求めるケースも出ているという。
◆冷却水の温度が上昇
8月12日、コネティカット州南東部のニューロンドン近郊にあるミルストン原子力発電所では、原子炉2基のうち1基が停止した。冷却水として利用してきたロングアイランド湾の海水温度が、測定を始めた1971年以来最高レベルに達したためだ。再稼働の見通しは立っておらず、原発を運用する電力会社ドミニオン(Dominion)の広報担当ケン・ホルト氏は、「残りの1基では、湾内のより深い海水を汲み上げている。深層水に影響が及べば、もう打つ手がない」と話す。