九州電力川内原発=鹿児島県薩摩川内市で2014年9月10日、本社ヘリから津村豊和撮影

 政府は12日、原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)を開いた。年明け以降に再稼働する見通しの九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)周辺自治体の避難計画など緊急時の対応策を内閣府が報告。安倍首相は「具体的かつ合理的になっていることを(内閣府が)確認し、それを了承した」と述べ、対策を了承した。政府は再稼働に向け、災害対策の進展を強調したい構えだが、報告内容は計画の実効性をどう担保するかを示していない上、今後の調整や詰めが必要な項目も多く、住民の不安を解消するのは困難な状況だ。

 関係省庁と作業チームを設けて計画作りを支援してきた内閣府の原子力防災担当者が、避難計画や国の支援内容を盛り込んだ資料を示して説明した。

 それによると、事故発生後、すぐ避難する必要のある川内原発の半径5キロ圏内では、病院の入院患者や福祉施設入所者ら災害時要援護者の避難のために民間会社や九電の協力でバスを準備するとした。

 放射線量の上昇具合に応じて段階的に避難する30キロ圏内では、避難車両が不足した場合、隣接する熊本、宮崎両県の自治体から調達したり、国が支援したりするとした。しかし地元バス会社との調整も完了しておらず、協定締結などに至っていない。

 また、具体的な避難先が未定の10~30キロ圏の要援護者については、県が整備予定の避難先の受け入れシステムで調整するとしたが、未完成という。