4号機の燃料貯蔵プールから取り出された輸送容器についた水を拭き取る作業員。廃炉へ向けて大きく前進した=20日午前、福島県大熊町の福島第1原発(代表撮影、一部画像を加工しています)(写真:産経新聞)

 東京電力福島第1原発4号機の燃料取り出しが20日、すべて完了し、廃炉へ向けて大きく前進した。事故を起こした原発からの燃料取り出しは前例がない。作業員の被曝(ひばく)リスクもつきまとったが、無事に終わったことで、残る1~3号機の燃料取り出しにも弾みがつく。ただ、これら3基は4号機と違って、炉心溶融(メルトダウン)を起こしており、作業は難航が予想される。(野田佑介)

 水素爆発でコンクリートの表面が剥がれ、鉄筋が露出するほど激しく壊れた4号機原子炉建屋。事故時は定期検査中だったため炉心に燃料はなかったが、5階部分(高さ30メートル)にある燃料貯蔵プールには1535体の燃料が保管されていた。

 再び地震や津波に襲われプールが損傷すれば、燃料の落下や水温の上昇で燃料に詰まった放射性物質が拡散するリスクがあり、地元や原子力規制委員会は早期の取り出しを求めていた。

 作業は慎重の上にも慎重を期して進められた。模擬訓練を重ね、移送時に細かながれきで燃料を傷つけないよう、プールからは「1秒間に1センチ」というゆっくりとしたスピードで燃料を引き上げ、成功につなげた。

 一方で、今後の1~3号機の燃料取り出し作業は別の課題が持ち上がっている。溶け落ちた燃料(デブリ)がまだ炉心にたまっており、強い放射線を出していることから、現場へ近づくのが困難ということだ。

 東電によると、1号機には392体、2号機に615体、3号機に566体の燃料が残っている。4号機はプールに作業員が近づくことも可能だったが、1~3号機は遠隔操作での作業を余儀なくされる。