関西電力高浜原発(左から)3号機と4号機=福井県高浜町で2016年6月15日、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた仮処分決定について大津地裁は17日、関電による執行停止の申し立てを却下した。山本善彦裁判長は「決定を取り消す明らかな事情がない」と理由を述べた。少なくとも、関電が決定取り消しを求めて申し立てた保全異議の審理(異議審)が終わるまで、再稼働は不可能になった。

 異議審は5月10日の第1回審尋で法廷審理が終わり、6月10日に関電と住民の双方が追加書面を出し主張を終えた。地裁は今夏にも結論を出すとみられる。今回と同様、山本裁判長が担当しており、決定が取り消されない可能性が高まった。

 山本裁判長は、自らが判断した今年3月の仮処分決定時と同様に、「(関電が)安全性に欠ける点のないことの立証を尽くさなければ、欠ける点のあることが推認される」と指摘。「(東京電力)福島第1原発事故の原因究明が完遂したと認めることはできず、新規制基準に従って許可を受けたことで安全性が確保されたとはみられない」とも言及した。

 運転差し止めの仮処分は滋賀県の住民29人が申し立て、大津地裁の山本裁判長が3月9日、訴えを認めて全国で初めて稼働中の原発を停止させた。地裁は、新規制基準に疑義があり避難計画も不備だとし、「人格権が侵害される恐れが高いのに、安全性の説明が尽くされていない」と指摘した。