北陸電力志賀原発。左から1号機、2号機。写真上は西方向=石川県志賀町で2016年4月26日、本社ヘリから小関勉撮影

 北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町、停止中)について、原子力規制委員会が27日、敷地内に活断層がある可能性を指摘する有識者調査団の報告書を受理したことで、ステージは規制委の安全審査に移る。熊本地震で活断層のリスクが改めて浮き彫りになる中、地元では早急な廃炉を求める声が上がる一方、地元経済への影響を懸念する声も聞かれた。

 志賀町で名産の干し柿「ころ柿」を生産する農業法人代表、石村高志さん(50)は「原発ができても能登半島の過疎は止まらなかった」と話す。建設会社も経営し、福島第1原発事故後、志賀原発の防潮堤工事に携わった。ただ、同原発が停止中でも北陸3県の電力は足りており、同原発は「関西電力に売電するためではないか」と必要性に疑念も持つ。

 しかし、町の原発依存度は高い。今年度の町の一般会計当初予算140億円のうち、固定資産税など原発関連収入は約2割の約28億円に上る。

 60代の自営業の男性は「地震が明日にでも起こる可能性があるということかもしれないが、原発がなくなれば経済的な影響は大きい」と廃炉には慎重だ。

 昨年3月の北陸新幹線開業後、町内の主要な観光施設の利用客は開業前に比べて2割増えたが、安定した「原発マネー」を失うことへの不安は根強い。ある自営業の女性は「原発で経済的に潤っている人がいるのは確か。ただ、事故の不安もある」と複雑な思いを口にした。