高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市で2014年11月21日、本社ヘリから山崎一輝撮影

 1995年12月に冷却材のナトリウム漏れ火災事故を起こして以来ほとんど運転していない高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)関連の総費用が今年3月末までに約1兆1703億円にのぼったことが運営主体・日本原子力研究開発機構への取材で分かった。これまでは、会計検査院が2011年に総額「1兆810億円」と指摘したが、その後の総額は明らかになっていなかった。もんじゅは過去5年間動いていないが、プラントの維持に加えて固定資産税や人件費も含め年平均220億円以上を支出していることも分かった。来年度には総額1兆2000億円を突破しそうだ。

 もんじゅは、85年に着工し、94年に核分裂が持続する「臨界」に達し、翌年に送電を始めた。しかし、ナトリウム火災を起こして長期停止。10年5月に原子炉を再起動したが、同8月に燃料交換装置が原子炉内へ落下して以来、再び長期停止している。停止中でも、もんじゅが使うナトリウムは常温では固まるため、電気であたためて液体状に保つ必要があり、こうした維持費が積み重なっていた。

 原子力機構は、もんじゅの10年度までの総事業費について約9265億円と公表していた。しかし、会計検査院が11年11月、関連施設の費用や固定資産税、人件費などを含めて算出すると、総支出額は1兆810億円だったと指摘し、経費の全体規模を公表するよう機構に意見を表明していた。

 今回、毎日新聞の取材に対し原子力機構は、14年度までのもんじゅの人件費が約533億円、固定資産税が記録が残る99年度以降で412億円と提示。こうした結果、支出総額は71年度以降の建設準備費なども含め約1兆1703億円と算出した。