高速増殖原型炉「もんじゅ」。中央左上が専用岸壁=福井県敦賀市で2015年10月7日、本社ヘリから三村政司撮影

 建設以来1兆円以上の経費がかかっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。その専用岸壁が、1995年12月のナトリウム漏れ事故以来5回しか使われていないことが分かった。一方で日本原子力研究開発機構は20年間、海底の土砂のしゅんせつ工事を計12回実施し、数億円単位の出費がかさんでいる。

 専用岸壁は87年に完成。大型資材を搬入したり使用済み燃料を搬出したりするために使われる。格納容器の搬入などで、当初はたびたび船が入港した。

 もんじゅは91年に試運転を開始したが、ナトリウム漏れ事故で停止した。機構によると、この事故以来、クレーンなどを搬入するために船が5回停泊した。一方でしゅんせつは続け、最近は昨年、行った。事業費は6000万円。これまでもほぼ同額だったといい、単純計算すると計約7億2000万円かかったことになる。機構は「岸壁は潮の流れで土砂がたまりやすい。原子炉冷却用の海水の取水口もあり、埋もれるのを防ぐためにこまめなしゅんせつが必要」と説明する。

 他の原発ではどうか。関西電力の大飯、高浜原発(ともに福井県)ではここ10年で一度もしゅんせつをしていない。美浜原発(同県)は土砂がたまりやすく、昨年度に続き2年連続で行った。いずれも年に4回程度、船が停泊するという。